バイナリーオプション攻略

加重平均資本コスト

加重平均資本コスト
DCF法ではWACCを割引率として用いることが一般的です。 WACCと は、株主および債権者が要求する利回り(資本コスト)を、株主資本比率と 負債比率で加重平均したものです。WACCの算定式は以下のとおりです (Equity)加重平均資本コスト は株主資本や株式時価総額、D (Debt) は有利子負債の総額を用いることが一般的です。

DCF(ディスカウンテッドキャッシュフロー)法②(インカム・アプローチ②)

WACCの利用は、調達源泉の状況を企業価値評価に織り込むのに最もわかりやすい方法と言えます。また、 DCF法では評価実施時点でのWACCを算定し、その後WACCが一定であるという仮定のもとで計算 します。この点、LBO等により負債調達割合が高い状況で企業価値を評価した場合、負債コストが極端に高い割引率が算出され、徐々に(もしくは資本政策により急激に)負債比率が下がることが想定されているLBOの状況をWACCに反映できないというデメリットが存在します。ただ、そもそもWACCの算定自体に様々な仮定が用いられ、高度な判断、裏返せば、主観的判断が入る余地が多分にあるため、これをさらに主観的な判断において変化させる(予想する)となると、妥当性の検証が難しくなるきらいがあるため、WACCを一定として用いることにも一定の合理性はあります。

(2) 負債コストの算定

(3) 株主資本コストの算定

会社にとっての株主資本コストは裏返せば株主にとっての期待収益率と言えます。このため、株主資本コストの算定方法は、一般的に株式期待収益率を推定する CAPM(Capital Asset Pricing Model) という理論が用いられて行われます。CAPMによる株式期待収益率の算定式は以下のとおりです。

【CAPMによる株式期待収益率】

株式期待収益率= リスクフリーレート+β×リスク・プレミアム

①リスクフリーレート(risk free rate)

次に、β(ベータ)とは、株式市場全体の株式利回りと個別企業の株式利回りの相関関係を示した指標です。これは、 システマティックリスクのリスク量を表す尺度 です。ここで、システマティックリスクとは、次のようなものです。

システマティックリスク(Systematic Risk)

アンシステマティックリスク(Un-Systematic Risk)

CAPM理論は、資本市場において投資家が負うリスクプレミアムはシステマティック・リスクのみであり、 株主資本コストはシステマティックリスクによって算定することができる というものです。アンシステマティックリスクについては経済合理的な投資家であれば分散投資によってリスク回避しているので、CAPMではアンシステマティックリスクについては一切考慮しないで期待収益率を求めることになります。

このシステマティックリスクと個別株式のリスクとの相対的尺度がβ(ベータ)になります。例えば、β=1の場合、当該個別企業の変動性は株式全体の変動と全く同一の動きをしていたことを示します。また、β=1.5の場合、株式市場全体の株価が1%上昇したときに、当該個別企業の株価は1.5%上昇したことを示します。つまり、 βが1より大きい場合には株式市場に比べて当該個別企業のリスクは高いといえ、βが1より小さい場合には株式市場に比べて当該個別企業のリスクは低いと言える のです。なお、この場合の「株式市場全体」は TOPIXをインデックスとするのが一般的で す。

βは、株式市場全体の利回りの動きと個別企業の投資利回りの動きの相関関係を示すリスクの尺度です。投資市場におけるリスク指標は、「分散」ないし「標準偏差」を用いて行われますので、 βの算定でも分散を用いて算定 されます。 具体的には、個別企業の投資利回りと株式市場全体の投資利回りの共分散を求め、この共分散を株式市場全体の投資利回りの分散で除して求める ことになります。

③リスクプレミアム(risk premium) と小規模アンシステマティックリスク

リスクプレミアムとは、株式投資によって求める株式投資家の見返り部分で、株式利回りとリスクフリーレートの差額 となります。株式投資というリスクを伴う投資行動をする以上、投資家がリスクフリーレートの金融商品に投資していればリスクなしで得られたであろう利回り以上の超過利回り部分を見返りとして求めるのは当然であり、それがリスクプレミアムとなります。

なお、CAPMの一部修正として、 リスクプレミアムにおいて企業規模に関するアンシステマティックリスクを考慮する可能性があります 。一般的に、小規模事業会社の株式は大企業の株式よりもリスクが高く、高い投資利回りが要求されるのが基礎研究などで明らかになっています。イボットソンといった情報ベンダーでも、規模に応じたリスクプレミアムを公表しており、評価実務においても規模を考慮したリスクプレミアムを用いて評価が行われます。

④小規模アンシステマティックリスク以外のリスクについて

(5) WACCの算出

なお、 負債および純資産は簿価ベースではなく時価ベースを用います 。このため、純資産は株式時価総額になります。負債も本来は時価評価されたものとなりますが、実務的には評価コストとの兼ね合いにより簿価を用いることも多いと思われます。

4-2-4.DCF法における非上場企業のβの算定

このため、 非上場企業の場合、公表株価が存在しないため直接βを求めることができず、類似公開企業のβを利用 することになります。しかし、 当該βは類似企業の財務構成を反映したものであるため、評価対象企業のβとしてそのまま利用すると理論的な整合性が取れなくなります 。なお、 資本構成を反映したβをレバードベータ(Levered Beta) といいます。非公開企業のβを求める場合には、類似企業のレバードベータから、資本構成を除外したアンレバードベータ(資産ベータ)を算出し、そこから評価対象企業の資本構成を反映したレバードベータへの変換(リレバー)を行うことになります。

①資産ベータ(アンレバードベータの算出)

まず、 資産ベータ(アンレバードベータ:Unlevered Beta) と呼ばれる負債の存在しない状態のβ を求めます。資産ベータは、次の式により求めます。

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