初心者入門

取引する際にかかるコストは

取引する際にかかるコストは
金融機関にお金を預けて貯蓄すると、金利がついてお金が増えるといった時代は過去の話です。今や超低金利時代を迎えており、預けるだけでお金を増やすことは難しくなりました。 超低金利時代は今後も続くと予測されているため、自分の将来の生活や老後に備えるためには、自分の資金を資産運用によって増やす必要があります。 今回は、初心者の方に向けて、そもそも資産運用とは何か、資産運用の種類などをご紹介します。

取引する際にかかるコストは

ロナルド・コースの取引コスト経済学を継承・発展させたオリバー・ウィリアムソンは、市場取引におけるコストの存在とその影響を考察しました。

その考えに基づけば、複雑な環境下の市場取引には取引コスト(取引費用)というものが発生し、多大な取引コストを回避するために企業は取引先を自社資本に内部化した組織取引という形態へと移行します。逆にチャネルを資本傘下に持つための内部化コストが取引コストを上回るときには、市場取引という形態が採られます。

主な取引コストには、財の交換の機会探索に関する「探索(調査)コスト」、交換の条件に関する「交渉コスト」、契約を合意通りに実施するための「監視コスト」があります。

探索コスト:

交渉コスト:

監視コスト:

「制約された合理性」とは、企業や個人は、利益の最大化を求めて最も合理的な条件での行動を採りますが、判断材料としての保有情報量と処理・予測能力には限界があるため、限られた条件の下での合理的判断になってしまうということです。複雑な環境下で情報不足や判断困難に陥ると、合理的判断をしようとするためのコストは高くなってしまいます。

「機会主義的行動」とは、企業や個人が有利な交渉・取引を進めるために、自分側に有利な情報や相手に不利な情報を相手方に隠したり、積極的に開示しようとはしなかったり、場合によっては裏切ったりする、といった行動を指します。これは、相手方の制約された合理性にも繋がります。

「制約された合理性」と「機会主義的行動」が高まるような複雑な環境下では、探索・交渉・監視といった取引コストがより多くかかってしまいます。そうなると、取引主体の双方にとって大きな負担となってしまいます。そのような複雑な状況下においては、企業は取引コスト削減のため、市場取引から組織取引へと移行することが考えられます。組織取引への移行とは、取引相手企業を自社で保有する、つまり垂直統合して流通取引相手を自社資本下・自社系列下に収めるということです。これは内部化とも呼ばれます。

ところが、この内部化にもコストがかかります。たとえば、メーカーが自前で流通シャネルを保有するには、物流倉庫や店舗を建設したり、既存の流通業者を買収したりするのに必要な投資コストと、それらを継続的に維持していくための管理コストがかかります。これらを内部化コストと言います。

理論上は、取引コストと内部化コストを比較して、取引コストのほうが大きい場合には組織取引が、内部化コストのほうが大きい場合には市場取引が選択されます。

しかし、取引形態は純粋に市場取引と内部取引に分けられるわけではなく、その中間的形態として、中間組織(中間取引)という取引形態があります。この中間組織には様々な形態があります。以下の図のように市場取引的な取引から組織取引的な取引へのスペクトラムを考えることができます。

取引形態のスペクトラム

純粋な市場取引においては、その都度1回性という前提の下の交渉・取引が行われます。しかし、事業を継続していくに当たって、チャネル間での取引は反復性を帯びてきます。

反復取引は、単に経済的・コスト的かつ都度1回的な関係ではなく、複数回の取引をある程度前提とした人間関係の入り込む取引形態です。過去の取引の情報・関係性によって、スムーズな取引が可能となります。

長期取引は、それが長期間にわたって継続することを前提とした1回性ではない契約を交わしての取引関係です。これによって取引に伴う不確実性を減らすことができます。

パートナーシップは、取引主体の相互依存度が大幅に引き上げられます。買い手は少数の特定の取引先に仕入れを集中させることによって、安定的な入手が難しい財の優先的供給を実現したり、付帯サービスを確保したり、まとめ買いによる数量割引などの柔軟な対応を実現したりすることが可能です。もちろん、サプライヤーも長期安定大口取引が可能となることは大きなメリットです。それだけでなく、双方の業務の質の向上や生産・供給効率の向上などに向けて協力することもあります。

戦略提携は、取引主体が別々の企業でありながら、長期的な取引関係を前提に共同の目標にむけてプロジェクトを組んで、商品開発やプロセス・イノベーション等において協働で取り組みます。チャネルの異なるプレイヤー同士が異質の経営資源を供給し合うところに新たな価値が生まれます。

組織取引は、企業が他のチャネル・プレーヤーを資本統合して傘下に収めたり、自社で自前の流通チャネルは開発したりすることで、取引コストの発生を避ける取引形態です。

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