記録的なインフレが続くなかで早くもこうした発言が出てくることに対して、中央銀行への信頼度の低下などへと結びつけてネガティブに捉える向きもいるかもしれない。
また、追加であと2、3カ月分の経済指標を確認しない限り、インフレや景気に対するコンセンサスも生まれないため、当面は高いボラティリティーが続くだろう。
しかし、少なくとも今後の相場転換の一つの兆しとして、上述の高官発言のニュアンスの変化は頭の片隅に置いておくべきだろう。
実質コストがもっとも安いファンドは
4章構成で初めの1~3章は個人投資家が陥りやすい誤解について、「●●してはいけない。」という方式でひたすらダメ出しします。
例えば、「銀行で金融商品は買ってはいけません。ぼったくり手数料でカモにされます。ネット証券などを利用しましょう。」、「分配金型投資信託は買ってはいけない。」などです。
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なお本書では、銀行の金融商品の手数料が高い理由は、銀行員の人件費だと主張しています。そこで、試しにSBI証券と自分の近所銀行の財務諸表を見て、 (売り上げ)÷(人件費) を計算してみると、SBI証券が5.4%,近所の銀行は35%と圧倒的な差でした。自分は今まで、建物などの固定資産の所有が手数料の高さの理由だと思っていたのですが、違ったようです。
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1.生活防衛を銀行預金に預ける(個人差があるが、毎月の支出の3か月程度が目安)
2.ネット証券に口座を開く
3.確定拠出年金、NISAを利用する。NISAは証券会社を利用する。
4.リスク資産を持つ額を決める。「最悪の場合、リスク資産の約3割の大損をする可能性がある。」という最悪のパターンを想定し、その時に自分が許容できる損失額となるよう、リスク資産の額を決める(例:「損失は100万円までに抑えたい」→「333万円の3割は100万円。したがって、リスク資産の額は333万円」)。
5.リスク資産のうち、半分はTOPIX連動型のETFに、もう半分を外国株式連動のインデックスファンドに投資。手数料が最も安いものを選ぶ。
6.確定拠出年金とNISAでリスク資産を保有する(非課税枠の利益をもらう)。枠が足りなければ、ネット証券の口座で保有。
7.無リスク資産の運用を決める。しばらく動かさない絶対に損をしたくない金で「個人向け国債・変動金利10年満期型」を買う。頻繫に出し入れするお金は銀行の預金か証券会社のMRF(マネーリザーブファンド。証券会社の口座に金を入れること。)に配分する。ただし、銀行預金はペイオフの上限である「1人、1行、1000万円まで」を守る。
しかし、上記の方法も少額なら試してもいいかなー、とも思っています。実際に投資による損益を経験し、自分の心が市場の上下にどれだけ耐性を持っているかなどを理解できてきたら、こういった方法も試してみる可能性があります。
(「人間は、自分が継続的にしていることを正しいと思い込む」という傾向があります。自分が著者の方法ではなく、セゾン投信を積み立てようと考えた理由も、もしかしたら「自分がセゾン投信を積み立てているから、それを正しいと思いたい。したがって、それを正しいと導く理由をむりやり探してきて言い逃れしている。」ということかもしれません。手数料の差があるのは純然たる事実ですし。でも、試しにやってみれば公平な観点で2つの方法を比較できますので、一つの方法に固執せずに1000円とかの少額で試しにやってみる、という姿勢は大事だろうと思います。)
信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識 [ 山崎元 ]
今回は、そんなETFで運用した方が投資信託よりも高いコストを支払っているということをお伝えいたします。
具体的に、S&P500に連動するETFであるVOOは経費率が0.03%で業界最低水準です。
一方で、投資信託であるeMAXIS Slim米国株式の経費率は2020年5月現在0.0968%です。
また投資信託には隠れコストがあります。
それを含めた実質コストは0.177%です。(1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費 0.065% × (365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.097% = 0.177%)
S&P500の配当利回りは約2%です。VOOを保有した場合、この配当金に対して米国でまず10%課税されます。その後、日本で20%の二重課税が生じます。
この配当金への累計課税率は28%です。
つまり配当利回りが2%なので、2%の28%だと、運用資産に対して0.56%の課税となります。
一方、eMAXIS Slim米国株式は配当再投資が自動で行われます。
ここで大きく違うのが、日本に送られず再投資されるため、米国内の10%のみの課税となる点です。したがって、日本での二重課税が生じません。
つまり、配当金2%の10%課税のみなので運用資産に対して0.実質コストがもっとも安いファンドは 2%の課税となります。
ここで一旦整理致します。
VOOは、経費率が0.03%ですが、配当金への課税が0.56%掛かります。
つまり配当金再投資条件では、年間0.59%のトータルコストになります。
一方eMAXIS Slim米国株式では経費率が0.177%であり、配当金への課税は0.2%ですので、年間0.377%のトータルコストになります。
更に、通常ETFでは別途売買コストがかかります。(マネックス証券の場合、買付だけ実質無料)
一方、eMAXIS Slim米国株式は売買手数料ゼロです。
この点もコストの差に少なくない影響を与えてきます。
今回はコストについて寄稿しましたが、自動で再投資できる点でも投資信託は優れていると思います。
金融商品の選定に至って大事なことは、コストを下げることが最も大事なことでしょうか?
もちろん、コスト意識は大事ですがそれ以上にご自身に合ったものをお選びいただくことが豊かな人生を歩むポイントではないかと思います。
【会社概要】
株式会社バリューアドバイザーズ
ファイナンシャルアドバイザー 吉村 卓也
<仕事内容>
「価値のある金融コンサルティングの追求」を理念に、資産運用・資産保全・家族信託サービス・相続診断等を行っています。
相続前に有価証券を処分するか迷っている方、有価証券を相続して何から手を付けて良いかわからない方はお気軽にご相談ください。
初回相談無料です。
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