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各国の外国為替市場とその結びつき

各国の外国為替市場とその結びつき
前日引け後に発表した四半期決算で、通年の見通し引き上げたファッション小売り大手ノードストローム(JWN)が大幅高。
スポーツ用品販売のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)が通期の業績見通しを下方修正したにも関わらず、四半期決算が市場予想を上回り上昇したほか、家電小売りのベストバイも減収となったが、市場予想を上回り上昇するなど、決算を発表した小売企業が軒並み上昇した。
会計関連のソフトウエアを開発・販売するインテュイット(INTU)は四半期決算が市場予想を上回ったことに加え、来期の業績見通しを引き上げたことが好感され上昇。
ハンバーガーチェーンのウェンディーズ(WEN)は、投資運用会社トライアン・ファンド・マネジメントが経営権取得につながり得る取引を検討していることが明らかになり上昇した。

東京外為:ドルが高値圏もみ合い、原油動向・各国指標にらみ-110円台

この日のドル・円相場は1ドル=110円台半ばで早朝の取引を開始。先週末 には110円66銭(ブルームバーグ・データ参照、以下同じ)と1月2日以来の 水準までドル高が進んだが、「きょうから日本の輸出企業が戻っていると思え ば、海外勢を中心にドルを買っていた向きもちょっとポジションを落としたく なる」(三菱東京UFJ銀行市場業務部・金成大介上席調査役)といい、朝方 はドル売りが先行。午前9時すぎには110円ちょうどを割り込んで、109円97 銭の日中安値を付けた。

その後、公表仲値が設定される午前10時にかけてはドル買い・円売りも入 り、ドルは下げ渋ったが、110円40銭付近で戻りも押さえられ、午後にかけて は110円台前半でもみ合う展開となった。

先週は世界的な景気減速懸念や原油をはじめとする商品相場の下落を背景 に対欧州通貨や対資源国通貨を中心にドル高が進行。週末にはニューヨーク原 油先物相場が一時、1バレル当たり111.34ドルと5月1日以来の安値を記録し、 ニューヨーク金先物相場も1オンス当たり800ドルを割り込んだ。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのヘッド・オブFXストラテジ ー・ジャパンの山本雅文氏は、「商品市況の調整が継続すると、ドルの買い戻 しにつながり、ドル・円は111円台もあり得ない話ではない」とする一方、「商 品市況が戻す局面では、ドルが全般的に売られやすくなる可能性がある」と指 摘。また、「原油価格の下落が米国の金利低下に結びついて、ドルの頭を抑え る材料になる」ともいい、「商品市況の動向次第といった相場展開」を予想し ている。

一方、米国では今週、この日発表される8月の全米ホームビルダー協会(N AHB)住宅市場指数をはじめ、7月の生産者物価指数(PPI)や住宅着工 件数、景気先行指数、8月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数などが発 表されるほか、22日には米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の 講演が予定されており、「米国の悪さが再確認されるような場合には、ドル・ 円が108円台まで調整することもあり得る」(三菱東京UFJ銀・金成氏)。

また、ユーロ圏では19日にドイツの欧州経済研究センター(ZEW)が8 月の景況感指数を発表するが、事前予想では前月から一段と低下し、過去最低 を更新する見通しとなっている。

みずほコーポレート銀の加辺氏は、「テクニカル的にはまだユーロは売ら れやすい状況だが、先週かなり大きく売られており、ZEW景況感指数もある 程度悪い内容は織り込まれているので、いったんサイクル的にもこの辺が節目 となる可能性がある」と指摘する。

そのほか、国内ではきょうから2日間の日程で日本銀行の金融政策決定会 合が始まった。金融政策については据え置きが見込まれているが、4-6月の 実質GDP(国内総生産)が4四半期ぶりのマイナス成長となったことで、日 銀は2カ月連続で景気判断を下方修正するとみられており、「積極的に円を買 っていくという話にはなりづらい」(加辺氏)とみられている。

--共同取材:曽宮一恵 各国の外国為替市場とその結びつき Editor: Tetsuzo Ushiroyama, Norihiko Kosaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 [email protected] 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

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